勝手に師匠と呼んであんなふうに歌いたいと思っているTGくんの歌ですが、いくらお手本にしたくてもラテン語の宗教曲はあの感じでは歌えません。
ウィスパーも熱唱もダメ。
ビブラートなんてかけようものなら
「声揺らすな!」
と先生からお叱りの言葉が飛んできます。
でも、歌に対する思いは同じだから、彼と同じようにひとつひとつの歌を、歌詞を大切に歌っていきたいと思っています。
TGくんの歌はどれも好きだけれど、自分の持ち歌じゃなくて他の人の歌を歌っているのがけっこう好きだったりします。
中でも好きなのがMフェアで歌った曲。
T村さんと歌ったときのも去年のメドレーも。
特にハモッているのが好きです。
「チャンピオン」も「いい日旅立ち」も本当に上手いと思います。
とても気持ちよさそうにいきいきと歌っていて、メロじゃなくてハモで主役じゃないのにそれを心から楽しんでいる感じがして、この子は本当に歌が好きなんだと思いました。
目立ちたがり屋だって言っているけど、歌に関しては自分が目立つことより歌としてきれいなハーモニーを聴いてもらえることのほうがうれしいんじゃないかなって気がします。
ソロでもやっぱり他の人の歌をうたってるのを聴くと上手いなあと思います。
そしてTGlくんが歌っていた歌がいつの間にか好きになっちゃってるんですね。
それまで全く興味のなかった歌も。
でも、ひとつだけ前から好きでよく歌っていて、それをTGくんが歌っているのを聴いてますます好きになった歌があります。
「Can You Feel the Love tonight」です。
ヴォイストレーニングで初めて歌った歌だと何かで見ました。
この歌を歌いながらTGくんはがんばってきたんだと思うと、泣きそうになります。
いろいろ辛いことがあってもうやめようと思ったこともあったけれど、歌があったから今の自分があるのかもしれないと言ったTGくんと、やっぱりいろいろあって何度も何度も歌をやめようと思ってきた自分が重なるからです。
でも私はTGくんの歌とTGくん自身をを知ったことでまた歌いたいと思えるようになりました。
「Can You ・・・・」を聴くと「やっぱり歌いたい」と思ったあのときのことを思い出し、「歌えることが幸せ」と思います。
TGくんの声でこの歌を聴くとなんだか切なくなるのですが、でも大好き。
何かすごく心に響いてくるものがあるんですよね。
そんなふうに感動できる歌い手に出会えたことをほんとに幸せだと思います。