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どのお話もいいんですが、私は「空のビードロ」が大好きです。
ドラマではとってもかわいそうなことになっちゃってた兄さん、松之助さんのお話です。
第一弾の『しゃばけ』と、この「空のビードロ」を読むと、松之助兄さんの境遇と、一太郎のいる長崎屋で奉公することになった経緯がわかります。
ドラマの中では墨壷さんが「こんな住み心地のいい体はない」とか何とか言っていましたが、原作では兄さんはとっても温厚で優しく誠実な好青年です。
それでも辛い辛い境遇の中で闇に飲み込まれそうになったとき、松之助を救ってくれたのは、まだ見ぬ兄への、一太郎という弟の思いでした。
それは松之助も一太郎自身も知らないことではあったのですが・・・。



辛い境遇の中でほんの少し光が見えてきたときに、それすらも裏切りであったことに絶望し、罪を犯しそうになってしまった松之助を救ってくれたのは小さな青いビードロの根付でした。
奉公先の近くの道端でたまたま拾った物だったのですが、そこにそれが落ちていたわけがわかったとき、松之助は言葉も出ず、畳に突っ伏して泣きました。



私も泣きました。



このビードロの描写が本当に美しいのです。



「青空のかけらを手の中に握りしめたかのようだった。」
「日も届かない水の底から、空に向かって青が駆け上がってゆくような色合い。その中に明るい光がいくつも封じ込められていた。」
「ゆっくり、ゆったりと、その天上の色合いに満たされてゆく。足下から青に染まり、腹に、胸に染みて頭まで上がってゆく。」



まだまだありますが、全部は書けません。



空の欠片のような青く清らかなビードロは一太郎の心そのものなのかもしれない・・・そんな気がします。

このビードロ、最新刊「ちんぷんかん」にも出てきます。
一太郎にとってもこのビードロはとっても大切で特別な物なんですね。
そして兄さんも・・・。

私もそんな青いビードロがほしくてずっと探していますが、なかなか思うようなものに巡り会えません。




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かのん
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自己紹介:
どんなときでも「なんとかなるさ」と落ちこまない。
「まっ、いいか」が口ぐせで
元気のもとは本と音楽。

歌が大好き。
クラシック大好きだった私が探し求めてやっと見つけた世界でいちばん好きな声の持ち主はオペラ歌手ではなくてアイドル!?