昨日はコーラスの練習日。
母校の高校での練習です。
母校と言ってももうすでに別の高校に統合されていて、現在の３年生が卒業する来年の３月には完全に廃校になります。
そんなわけで部室の荷物を整理していたら懐かしい物が出てきました。
卒業する部員が後輩達に残したメッセージが綴られているノートです。
自分が書いた分が含まれてるノートを持ち帰ってほしいということだったので、私も持ち帰って読んでみました。

そしたらそこにどこかで聞いたことのある言葉が書かれていました。

「人に感動を与えられる歌がうたいたいな」
「上手い歌もいいかもしれないけど・・・・いい歌っていうのは心がこもった歌」

これってＴＧくんが言ってたことに似てるかも。

「自分がなりたいのは上手いより人を感動させられる歌手」
「歌詞から伝えたい」
「『上手いね』より『いいね』って言ってもらえるような歌を歌っていきたい」

たしかそんな感じのことを言っていました。

私が彼に惹かれたのは歌というものに対して同じ思いを抱いていたからなのかもしれません。

歌手であるＴＧくんを知った頃、私は自分の歌いたい歌が歌えなくなってしまって、何のために歌うのかわからなくて、ずっとずっと悩み、迷っていました。
でも、とうとうやめる決心がつき、「やめます」と別のブログで宣言しました。

ところがその日、ずっと一緒に歌ってきた仲間の一人が亡くなったことを翌日知りました。
歌いたいのにもう歌えない彼女のことを思うと、元気で生きているのに歌うことをやめてしまうのは申し訳ない気がしてまた気持ちが揺らぎ始めました。
だけど歌いたくない歌は歌えません。
心から楽しめないのに人に聞かせる歌が歌えるはずがありません。

歌が嫌いになったわけじゃない。
ほんとは歌うことをやめたいわけじゃない。
だけどあの合唱団は私には合わない。

いくら考えても答えは出ませんでした。
そんなときＴＧくんが歌っている姿を見て、その声を聴いたのです。

なんて幸せそうに歌うんだろう。
ひとつひとつの言葉を大切に愛しそうに嬉しそうに。
なんてやさしい声なんだろう。

そう思いました。
今思えばＭＤくんの声もあったわけで、二人だからこそのやさしさ、あたたかさだったと思うのですが、その時はＴＧくん目当てで見ていたので彼しか目に入っていなくて、その姿がしっかり目に焼きついてしまいました。

その後ＴＧくんのことをいろいろ調べてデビューするまでの経緯やその後の苦労、そして歌に対する彼の思いなど、知れば知るほど彼のことが好きになりました。
事務所入りしてすぐにデビューさせてもらえた彼は大抜擢と言われ、ラッキーボーイと言われたけれど、彼にとってそれは決して嬉しいだけのことではなかったんですね。
不安や戸惑いばかりだったでしょうし、できないことを他のメンバーと同じように要求されて辛かったでしょう。
妬みや嫉妬からいやな思いをすることもあったかもしれません。

高校生と言っても見た目小学生といってもおかしくないほど幼い男の子がそれでもがんばってがんばって歌を続けてきて、

「歌があったから今の自分があったのかもしれない。歌には本当に感謝している」

と言っているのを聞いたとき、私は自分が恥ずかしくなりました。

私は最初ソプラノだったのに、メンバーが足りないからとメゾへ、次はアルトへと回され、歌いたいパートが歌えない、出したい声が出せないことに不満を持っていました。
指揮の先生のやり方とは合わないと感じ始めると、とても先生の指示どうりには歌えないと思うようになりました。
だけど、そんなふうに時分の歌いたい歌が歌えないからいやだなんて、私はなんて思いあがっていたんだろうということに気がつきました。

ＴＧくんが幸せそうに歌っているのを見たとき、とてもうらやましくなって、私ももう一度歌いたいと思いました。
どんな歌だっていい、ただ歌えるだけで幸せだとまた思うことができたのです。
歌がうまいと言われているＴＧくんがメインヴォーカルではなくて主にハモリ担当なことを最初は疑問に思いましたが、彼のハモリがあるから歌が引き立つんですね。

主旋律じゃなくたっていい
全体として綺麗なハーモニーになるように、私は自分のパートをしっかり歌いたい

やっとそう思えるようになりました。

ずっとずっと年下の男の子ですが、私は彼をうらやましいと思い、見習いたいと思い、憧れと尊敬の思いでずっと見てきたのですが、昨日のノートを読んでもしかしたら私は彼の中に昔の自分を感じていたのかもしれないと思いました。

あの頃私は一人だったんです。
一緒に入部した同級生達は受験のためだと言ってある日突然やめてしまい、私は３年生で１人になってしまいました。
やがて他の部の同級生達も部活を引退し、放課後は教室でおしゃべりをしたりして残り少ない高校生活を同級生達と楽しむようになりました。
そんな中１人教室を出て行くのは辛くて、気が合わない後輩達と一緒に歌うより同級生達と一緒にいたいと思うこともありました。

「NEWSでいる時間がいやでいやでたまらなかったんです。学校で友達と過ごすほうがずっと楽しくて」

そう言っていたＴＧくんの言葉を思い出しました。

あの頃私を支えてくれたのはやっぱり友達でした。

「今までずっと部活続けてるともがうやらましい。好きなこと最後までできるなんてすごいことじゃない。だからがんばって。私はともの歌が好きだよ。」

そう言ってくれた友達がいて、私は最後まで歌を続けることができました。
ＴＧくんもやめたいと思ったとき、友達やファンの子の言葉に励まされたんですよね。

私がＴＧくんに惹かれるいうになったきっかけは『しゃばけ』
原作が好きでドラマ化されて最初は期待していなかったのにＴＧくんの一太郎が思っていた以上によくて、それがきっかけでＴＧくんのことをもっと知りたいと思うようになりました。
でも、もしかしたら、私がＴＧくんに惹かれる理由が歌に対して同じ思いを抱いているからだとしたら・・・。
私が『しゃばけ』を知らなくて彼の一太郎を見ることがなかったとしても、どこかで彼の歌に触れてきっと同じように好きになっていたんじゃないかな・・・なんてことを思いました。

彼を好きな理由は歌だけじゃないんですけどね。
それについてはまた今度。

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