毎日ハピハピ（仮）

「チケットをお取りすることができませんでした」

・・・やっぱりね。

もうひとつはどうかな？
あれ、公演名とか言ってる。
さっきと違う。
ってことは、もしかしたら・・・

「第一希望でのご当選です」

ほんとにほんとなのかな？
ほんとに私行けるの？

嬉しいというよりなんだか実感がわかなくて半信半疑です。

当選したほうの公演は娘が住んでいるところであるので泊まる場所の心配をしなくていいんですよね。
それに大学へ進んでから一度も行ったことがな娘のところへ行くこともできちゃうので、こっちに行けることになってよかったです。

もうひとつのほうはたまたまその翌々日にその近くへ娘が仕事に行くことになっていて、だったら一緒に行って仕事場（音楽関係）もへついて行っちゃおうって思っていたので、できれば行きたかったんです。
それに会場が小さく、ホールだったので音楽を聴くのにはよりよい状態なんじゃないかと思っていて、会場だけ考えればいちばん行きたい公演でした。

もし当っちゃっても宿泊費とか交通費を考えると無理だったんですけど・・・。

こうして初めてのチケット申し込みと当落確認をなんとか無事終えて次は舞台の申し込み。
これもかなり苦しく、ぎりぎりまで粘りましたがどうやっても１人分のチケット代しか用意できず（しかも娘に借金）一発勝負で申し込みました。
また締め切りの日の夕方の申し込みです。

まず平日は仕事が休めないので絶対無理。
東京への往復を考えると土日だけでもきついです。
となると行けそうなのは５連休だけ。
でも情けないことに私東京へ行っても１人では行動できません。
チケットが買えないので一緒に中に入ることはできないけれど、娘には当日会場まで送ってもらい、また迎えに来てもらわないと困ります。

ところが秋は娘のお仕事が忙しくなっちゃうんですよね。
バイトのひとつが結婚式場の聖歌隊のオルガン弾きなので。
連休中なんて絶対結婚式多そうだし。
（多いときには一日に何件もの結婚式に出るそうです）

だったらこの日だ･・･仏滅。

というわけで連休中の仏滅を第一希望に。
その前後を第２、第３、第４希望にしました。

そしてやってきた確認の日。
今回は一回でつながりました。
結果は・・・・

「第一希望でのご当選です」

また当っちゃった。
信じられないけれど嬉しいです。
まだミュージカルに出るって決まる前からいつかミュージカルに出てるとことを見たい、歌ってるのが見たいと思っていたのでほんとに嬉しいのですが、まさかこんなに早く夢がかなうなんてそれこそ夢みたいです。


そんなこんなで興奮冷めやらぬ日々を過ごしていましたが、７月２１日についにやってきました。
幸せのチケット。
席もまあまあかも・・・・。

今回初めてなことがいっぱいでよくわからないのですが、もともと余裕がなくぎりぎりの状態だったのであまり欲を出さなかったのがよかったのかもしれません。
私がかなりついているのか、これが普通なのかよくわからないのですが、なんとなく私の中では最初で最後のチャンスな気がしているので、行けることになって本当に嬉しいです。

毎日まじめに一生懸命がんばってるから、私にもご褒美をくださいなんていうわがままな私の願いをかなえてくださった神様、ありがとうございます。


こうして初めてのコンサートへ向けて東京へ出発する日があさってに迫ってきたわけですが、今回数ある「初めて」の中で何がいちばん不安かって言うと、

初めて１人で東京へ行くこと

東京へ行くこと自体がまだ３回目なんです。
前回は去年、子どもたちの恩師の音楽の先生でもあり今は歌仲間の方と娘の出る演奏会を聴きに行きました。
その前はなんと、中学のときの修学旅行。
娘が東京の大学に進学しても一度も行ってあげられなかったんです。
交通費がなくて。

それなのに自分の楽しみのためなら強行しちゃうなんてほんとにごめんなさいです。

今回は１人で行くしかないのでめちゃめちゃ不安ですが、ひとつひとつ「初めて」をこなしてきたので今度もがんばります。

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大学生２人と中学生（もうすぐ高校生）と小学生を抱える我が家には私が自分のために使えるような余裕はありません。

それにもうひとつ、田舎なので郵便局で申し込みするときに知ってる局員さんに見られちゃいます。

「いい歳してジャニーズだって」

って笑われそうだし、噂だって広まっちゃうかもしれません。

だからずっと躊躇していました。


でも、５月２７日、一大決心をさせるメールが届きました。

テゴマスツアー決定！！

行きたい、行きたい、絶対行きたい！

もう恥ずかしいなんて言っている場合じゃありません。
この日のために貯めていた５、０００円を今こそ使うときです。

５月末（日にちは忘れましたが）ついに入会の申し込みをしました。

有効会員になっていると確認できたのが６月３日。
会員証やコンサートの案内が入った青い封筒が送られてきたのが１１日。

思ったより早かったです。
ところが、テゴマスコンサートの申し込みは翌１２日まで。
新しく会員になった人は案内が届いてから３日以内にって書いてあるけど、土日になっちゃうし、できることならちゃんと締め切りまでに申し込みたいです。

でも、仕事が終ったころにはもう郵便局は閉まっちゃってるし・・・。
どうしよう・・・。

それにお金もない・・・。

思い切って東京にいる娘に相談してみました。
すると自分が行けそうな日なら一緒にってあげるし、チケット代も自分の分は出すよ・・なんて思ってもみなかった嬉しい返事が・・・。

そこで１２日の昼間にチケット代を私の口座に振り込んでくれるようにお願いしました。
それから昼間家にいる通信制の高校生の次男に郵便局に振込用紙をもらいに行ってくれるようお願いし、仕事から帰ってからATMで振り込んで申し込みをすませました。

入会してから初めての申し込みまであっという間でしたが、これでやっと私もスタートラインに立ち、一歩を踏み出すことができた・・・そんな気がしました。

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その次に出たシングルからは予約して新品を買っていますが、それまで出てたものはすべて中古で探しました。
中にはなかなか見つからないものや見つかっても定価より高くてあきらめざるを得ないものもあって、全部そろうまでに１年くらいかかったでしょうか。
とにかく手に入ったCDから聴きまくりました。

この歳でいまさらジャニーズのCDなんて恥ずかしかったので、いつもイヤホンで聴いていました。
そのためか一人一人の声、一つ一つの音がとてもよくわかったんです。
特に気になったのがリズムを刻むドラムと低音で支えるベースの音。

私は今まで高い音が出せることがいいことみたいに思っているところがありましたし、目立つ主旋律を出せる人が上手いんだ・・・みたいに思っているところもありました。

でも耳に直接入ってくる音で心により響くのは決して主旋律とは限らないということを始めて知りました。
そしていろんな声や音があるからこそ音楽の幅が広がるんだということも。


私は自分の声があまり好きではありませんでした。
でも、上手い下手ということよりもその歌に合った声というのもあるんだなということもわかりました。

メンバーの中で誰が上手くて誰か下手だとかそんなの関係ないんだなって思いました。


合唱の場合はみんなの声の色というか質が合わないとだめなわけで、いろんな声があっていい・・・なんて言っていられませんが、けっして主旋律を歌えることがいいんじゃなくて安定して支えてくれるアルトや難しいメロディでその歌の色を変えてくれるメゾソプラノがあってこそソプラノの主旋律が生きるんだなと、そんなことも思いました。

まさかジャニーズのアイドルグループの歌を聴いて自分の合唱に対する考え方が変わるなんて、これも考えられないことでした。
音の重なりのすばらしさをアイドルたちから教えてもらうなんてね・・・。


これも歌が大好きで歌というものをとても大切に考えている増田くんと手越くんのいるグループだったからなのかもしれません。
聴くのはNEWSの歌が多いけれど自分で歌うのは圧倒的にtegomassの方が多いです。
ほんとに気持ちよく歌えるんです。
声を張り上げることなく自然に力を入れないで出せるから、声出し代わりによく歌います。
最後まで丁寧に音を伸ばす練習にもなります。
それからハモリの練習。

今までは自分の音を正確に出すことだけを考えてたのですが、他のパートとの重なりを気にして歌うようになりました。

歌っている歌も声の出し方もまるで違うけれど、私にとってtegomasは師匠と言ってもいいくらいかもしれません。

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グループの中で自分だけがそれまでの経験も実績もないままメンバーに選ばれてしまい、みんなになじめなくて辛かったこと。

他のメンバーはすでに何年か、中には７年も活動をしてきているのに自分は事務所に入って一年もたたないうちにデビューすることになり、メンバーからも「おまえ誰？」と言われてしまったこと。

それでも少しでも追いつこうと一生懸命努力したのに失敗をしてしまい、ますます他のメンバーとの溝が深まったと感じてしまったこと。

実際には楽しくないし親しくもないのに、テレビなどに出れば楽しそうに話さなければならないそのギャップについていけなかったこと。

１５歳の男の子（見た目はもっと幼く感じました）にはすべてが辛いことだったと思います。
やめようと思ったとも言っていました。
それでも続けてこられたのは歌があったから。
自分に出できることは歌を歌うことだから。
そして今は歌に感謝していると言っていました。

今も歌は特別で、将来は上手い歌手より感動を伝えられる歌手になりたい
音程をはずしてでも歌詞から伝わるものがあればいい

そんなことを話していたのがとても印象的でした。

だからあんなに言葉を大切に丁寧に歌を歌うんですね。

後で知ったことですが、とうとう辛くて耐えられなくなり親友に相談したけれど期待していた答えがもらえず本当にやめてしまおうと思ったことがあったそうです。
そのときたまたま目に入ったファンからの手紙。

そこで自分の歌声に励まされたと言っている人がいることを知り、

せっかく自分を見て元気や勇気をもらったと言ってくれる人がいるのに、自分の勝手な気持ちでやめちゃいけない

そう思ったって言っていました。

彼は本当に歌が好きで好きでたまらないんだろうな。
歌えるってことはそれだけでとても幸せなことなんだ。

そんなふうに思ったら私も今すぐに歌いたくなったのです。
もう一度歌いたい。
私も何よりも歌が好きだったはず。

高校時代、３年生になったとたんに同級生が受験のために部活をやめちゃって私１人になっても続けました。
他の部活の３年生がみんな引退する夏休みを過ぎても、音楽部の３年生が引退する秋の合唱祭を過ぎてもかってに残って卒業まで続けちゃったんだ・・・。

他の３年生は引退してるのに私だけ夏休みも部活に行くために定期代を出してもらうのは申し訳なくて片道１７ｋｍの道を自転車で通いました。

結婚して子どもが生まれて知り合いの誰もいない土地に引っ越しても、ママさんコーラスがあると聞いてじっとしていられなくて子連れで通ったりもしました。

内気で消極的な私が歌のためならがんばることができたんです。
だってしんどいとか恥ずかしいとかいうことは、歌いたいという気持ちの強さに比べればどうってことなかったから。

歌えるだけでしあわせ

いつもそう思っていたのに、いつのまに私は自分の歌いたくない歌は嫌だとか、自分と考えが合わない先生は嫌だとか贅沢なことを考えるようになってしまったんでしょう。

もう一度初心に帰って歌うことを純粋に楽しみたい
私には私の歌を楽しみにしている人も、私の歌で励まされる人もいないけれど、私が歌いたいのだからそれでいいじゃない。
もう一回始めてみよう。

そう思って合唱団に復帰しました。
復帰してからもお金がないので衣装のドレスが買えないとか問題もありましたが、リーダーがレンタルでもＯＫって言ってくれたりしてなんとかなりました。
まだ嫌なこともありましたが、歌えるんだったらどんなことでも我慢しようと思いました。

大丈夫。
歌いたいという気持ちがあればなんとかなる。
いちばん大事なのは歌いたいという気持ちだから。

あんな小さな男の子だって負けないでがんばってきたのにいい歳した大人が情けないこと言ってたら恥ずかしいよね。


こうして一度はやめようと思った歌を今も続けているのですが、あれ以来私は一度も歌うことが嫌だと思ったことはありません。
どんな歌でもちゃんと聴く人に伝えられるように歌おうと思っています。

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