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しゃばけシリーズの最新作が載っているということで、前から気になっていた「yom yom」を買いました。
今回は私の好きなお雛ちゃんのお話。

若だんな一太郎は大活躍と言うわけにはいかなくて、役に立たない自分に一層の情けなさが募ります。
目に滲んできたものすらあって、布団を頭からかぶってしまった一太郎のことを心配してくれる鳴家たち。
その小さな手の感触が優しくて、いつの間にか一太郎のまぶたも重くなってきたのでした。

出版社の「しゃばけ」のサイトにはいるだけ力について書いてありました。

自分ではないもできないと思っていても、その人がいるだけで力をもらっていると思う人もいるのだということ。

お雛ちゃんが困っていて、一太郎は自分なりに一生懸命になんとかしようするのだけど、結局、最終的に問題を解決するのはお雛ちゃん自身や直接関わっている人たち。
一太郎は役に立っているようには思えません。

でも、“いるだけ”で自然と周りの人たちが問題や悩みを解決するきっかけを作ってくれる人もいます。
本人は「何もできなかった」…なんて落ち込んだりしてるんだけど、案外その人の言ったことが役に立って立って後からわかることもあります。

若だんなは控えめだけど、いるだけでみんなのために役に立つこともあって、そういういるだけ力っていいなあっていうお話でした。

いるだけ力か・・・

私もそんなちからを持ったひとでいられたらいいなあ。


逆にいるだけで自分にとってマイナス・・というお話もありました。
重松清さんの『にんじん』というお話ですが、こういうことって実際にありそうだなと思いました。
私もこのお話の主人公に近い仕事をしてるので、似たような話を聞いたり目にしたりすることがあります。

なんだかいろいろ考えさせられました。

ところで『yom yom』は今回はじめて買ったのですが、思っていたより分厚くて、中身もぎっしりでした。
約600ページ全てが読み物。
読みごたえがあります。

いろんなお話が読めてなんだかすごく得をした気分になるのでバッグナンバーも探そうかなと思いました。
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昨日、『しゃばけ』のドラマ版の帯が付いた文庫本を買いそびれたと書きましたが、ラッキーなことに今日手に入れることができました。
いつもは行かない方角へ出かけたので、わずかな期待を胸に道路沿いの本屋さんに寄ったら、1冊だけ、ドラマ出演者の集合写真の載ってる帯が付いた本があったんです。
5,6冊積んであったのですが、私が手にした一番上の本以外は帯無しでした。
つまり最後の1冊。
もう手に入らないかもしれないと思っていたのでとっても嬉しいです。

前から持っていた本は家族にあげます。
ぜひ読んでほしいので。

私は本やCDは中古で買うことが多いのですが、やっぱり帯はないよりあったほうがいいです。
そしてそれが期間限定の帯だったりしたら絶対帯付きがいいです。
これからは迷っていないでほしいと思ったらそのときに買うようにします。

『しゃばけ』の記事が載っているということだったので買ってきました。
『しゃばけ』の特集は9ページ。
作者の畠中恵さんへのインタビューと作品の紹介、読者アンケートによる人気順位、3人の「妖怪馬鹿」が語る『しゃばけ』のおばけについての話などです。

人気順位は一位が当然といえば当然ですが主人公、一太郎。
二位の鳴家もやっぱり・・ですね。
以下仁吉、佐助、屏風のぞき、栄吉、松之助と続きます。
八位の鈴彦姫はドラマ版だともう少し順位が上にくるんじゃないかな?

私ももちろん、一番好きなのは一太郎です。
その他にはお雛ちゃん。
十位にランクインです。
あとはランク外ですがそのお雛ちゃんの許婚の正三郎さん、広徳寺の寛朝さんと弟子の秋英さん、うそうそに出てきた雲助の新龍さん。
それぞれぜんぜん違うキャラみたいですが、共通点があるんです。
それはちょっとヘンな人みたいだけれど実はとても心のやさしいしっかり者だったり、それをちゃんとわかって受け入れてくれる人だったり、胡散臭いのに実はとても立派な人だったり、弱そうに見えて強い能力を持っていたり、ちょっと秘密があったり。
みんな何かを抱えている人なんです。
一太郎もそうかもしれませんね。

何か弱さや苦しみや秘密を抱えていても、ちゃんと真実が見えて、正しいことがわかって、自分の信念で行動できて、そして自分ではなく人のためにがんばる人。
そんな人が私は好きです。

どのお話もいいんですが、私は「空のビードロ」が大好きです。
ドラマではとってもかわいそうなことになっちゃってた兄さん、松之助さんのお話です。
第一弾の『しゃばけ』と、この「空のビードロ」を読むと、松之助兄さんの境遇と、一太郎のいる長崎屋で奉公することになった経緯がわかります。
ドラマの中では墨壷さんが「こんな住み心地のいい体はない」とか何とか言っていましたが、原作では兄さんはとっても温厚で優しく誠実な好青年です。
それでも辛い辛い境遇の中で闇に飲み込まれそうになったとき、松之助を救ってくれたのは、まだ見ぬ兄への、一太郎という弟の思いでした。
それは松之助も一太郎自身も知らないことではあったのですが・・・。



辛い境遇の中でほんの少し光が見えてきたときに、それすらも裏切りであったことに絶望し、罪を犯しそうになってしまった松之助を救ってくれたのは小さな青いビードロの根付でした。
奉公先の近くの道端でたまたま拾った物だったのですが、そこにそれが落ちていたわけがわかったとき、松之助は言葉も出ず、畳に突っ伏して泣きました。



私も泣きました。



このビードロの描写が本当に美しいのです。



「青空のかけらを手の中に握りしめたかのようだった。」
「日も届かない水の底から、空に向かって青が駆け上がってゆくような色合い。その中に明るい光がいくつも封じ込められていた。」
「ゆっくり、ゆったりと、その天上の色合いに満たされてゆく。足下から青に染まり、腹に、胸に染みて頭まで上がってゆく。」



まだまだありますが、全部は書けません。



空の欠片のような青く清らかなビードロは一太郎の心そのものなのかもしれない・・・そんな気がします。

このビードロ、最新刊「ちんぷんかん」にも出てきます。
一太郎にとってもこのビードロはとっても大切で特別な物なんですね。
そして兄さんも・・・。

私もそんな青いビードロがほしくてずっと探していますが、なかなか思うようなものに巡り会えません。






しゃばけシリーズ第二弾『ぬしさまへ』は短編集です。



「ぬしさまへ」 江戸の娘さんたちに大人気のいい男、手代の仁吉に恋文を送った娘が殺され、仁吉に疑いが・・・。



「栄吉の菓子」 一太郎の幼なじみ、三春屋の栄吉が作った菓子を食べてお客のご隠居が死んでしまいます。親友を救うため、一太郎が真相究明に乗り出します。



「空のビードロ」 一太郎の異母兄松之助が長崎屋に奉公する前、桶屋に奉公していた頃の出来事。松之助が長崎屋に来ることになったきっかけのお話。



「四布(よの)の布団」 若だんなのために新しく注文した布団から夜中に面妖な鳴き声が・・。父籐兵衛と仁吉につれられ繰綿問屋に出かけた一太郎でしたが、そこで出会ったのは通い番頭の死体でした。



「仁吉の思い人」 薬を飲んだら仁吉の失恋話をしてあげましょうという佐助。苦い薬をがんばって飲んだ一太郎に、仁吉自身が語ってくれた辛い恋の思い出。そしてその相手とは・・。



「虹を見し事」 いつもやかましいくらいの妖たちが忽然と姿を消し、手代たちの様子も変。誰かの夢の中に入ってしまったのだと思った一太郎はなんとか抜け出そうとするのですが・・。

短編ばかりなので読みやすいです。
長くなるので感想は別で。


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HN:
かのん
性別:
女性
自己紹介:
どんなときでも「なんとかなるさ」と落ちこまない。
「まっ、いいか」が口ぐせで
元気のもとは本と音楽。

歌が大好き。
クラシック大好きだった私が探し求めてやっと見つけた世界でいちばん好きな声の持ち主はオペラ歌手ではなくてアイドル!?